「クイーンズ・ギャンビット」のざっくりあらすじと感想
この作品面白過ぎます。まだエピソード2まで観ただけですが、とにかく続きが観たいと強く思う久々の作品。
ざっくりあらすじ
両親と死別してしまったベティ(ベス・ハーモン:役:アニャ・テイラー=ジョイ)。孤児院へ行くことになる。先天的に高い知能を持つベスにはここでの生活は退屈そのもの。日々渡される精神安定剤に溺れる生活を送るのだが、ある時用務係でチェス好きなおじさんに出会う。ベスはチェスに興味を持ち、そして驚くべき才能を開花させる。という作品です。
「完全なるチェックメイト」「イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」などなど、周囲からなかなか受け入れられない超天才が大活躍していくという感じの作品を好む人には絶対オススメしたい映画。
シーズンは1のみで、7話完結のようです。イッキ見してしまうと思います。
シーズン1
幼少期回想
薄暗い人生だな、ベティ。天才はその知能の高さ故に生まれながらに周囲との違和感を感じながら生きるというのが映画やドラマの中のセオリーです。ベティもそう。普通の子供が好きなお人形などには一切興味がなく捨ててしまうし、授業は簡単過ぎて興味がなくサボりがちになってしまう。
孤児院で唯一興味を持ったのがチェス。このゲームはいったい何なのか?と。
おじさんが動かしている駒をみていただけで駒の動き方を把握したようです。でも、まだおじさんに勝てるレベルではない。そこで練習をしたくなったのだけど、残念ながらチェスセットなどある訳がない。そこでベスはどうやって練習したのか?
おクスリで・・・お勉強したようです。
後々、これがわざわいとなりそうな予感です。
ベティを馬鹿にした人たちの吠え面
服装も田舎臭く垢抜けせず、なおかつ挙動不審なベス。周囲は当然「なんだこの変わった子は?」という目で彼女を見ます。唯一彼女が認められたのはチェスをしている時。彼女の非凡な才能は見るものを魅了します。
それにしても、嫌な奴らが多いものです。レーティングだけを頼りに勝手にその人の実力を判断しようとする者、女性だからと高をくくってゲームに挑むもの。ベティはそういう鼻につく連中を見事に成敗してくれます。
このシーンだけ見ていても爽快な気分です。
やっぱり、人を見下す人間ってどうも好きになれません。地元の大会に出てくるベルティックもその一人。自分より格下だと勝手に判断して、決勝戦に遅刻してくるなんて・・・ゲスな野郎です。結局甘くみていたおかげで墓穴を掘ることになってしまった。まだ未成年の女の子に大勢の前でボロ負け。余裕な顔をしていたところから転落していく姿というのはどうしようもなくカッコ悪いですね。
常に謙虚であれ。金言ですね。
ベスが天才である証拠
私が天才とは真逆にいる人間なので「天才とは?」というものを語ることができません。ですが世の中の天才と呼ばれる多くの人物をみていると共通している点がいくつかあります。
- その道に早くから巡り合い、興味を持つ
- 常に没頭していること(本人には自覚がない場合が多い)
- 失敗を次に活かそうとすること
ベスをみていてもそれが言えるようです。偶然チェスに巡りあい、異常なまでの興味を持ちゲームに熱中する。負けてもそれを分析しようとする。だからどんどん吸収して強くなっていく。
そもそも私のように凡才という人間は、こういう人たちと真逆の行動をしてしまいます。何かおもしろい世界を見つけたとしても、興味は湧かないことが多い(気がついていない)。興味が湧いたとしても没頭するまで集中することはない(すぐに飽きる)。何かつまづきがあるとすぐに諦める(自分には才能がないと逃げる)
もちろん先天的な能力が影響するところは大きいのでしょうけどね。
やさぐれるベス
ボルコフに2度も敗北を喫したため自暴自棄になるベス。ちなみに2度目は完全なる自爆です。決勝前日禁じていた酒を浴びるように飲んで、二日酔いのまま戦いに挑むなど正気の沙汰とは思えない行為。当然の結果になります。
で、ベスはどうなったかと言えば帰国後完全に崩壊。酒に溺れ、荒んだ生活を送ることに。
恐らく負けたことへの悔しさではなく、「こうすれば絶対に負ける」とわかっていたことを自ら行ってしまったことへの後悔が彼女をそうさせたのだと思います。
こうなると落ちるところまで落ちるほかない。
でも本物の天才はこういうところからでも戻ってこれるはず。
シーズン2の話もあるとか?
この作品、全7話という最近のシリーズものにしては短編でしたがスッキリとした面白さがある良作だったと思います。それで続編もあるとかないとかの話題が出ているようですね。
個人的にはこの作品これで終わりで良いかなと思います。
だって・・・ボルコフ以上の敵ってどんなの出てくるんだよ?という疑問があるから。