「13の理由」各シーズンざっくりあらすじと感想

アメリカ作品のドラマ。ジャンルはあえて付けるなら学園ドラマもの。内容はいじめ・自殺などを扱いながら少年少女たちの成長・葛藤とそれに関わる親や学校との問題を広範囲に拾っていく作品になっています。亡くなった生徒が残したテープを元にテープの過去と現在とを行き来しながら物語が進んでいきます。

そのテープが悲痛な叫びというよりは淡々と出来事の詳細を語っていくものなので、本来重く・辛いテーマではありますが不思議とそれを感じることなく冷静に観ていくことができる仕上がりになっているのが良いところ。

この年頃によくある、異性関係、友人関係、思春期特有の浅はかな行動・言動などとてもリアルに描いているのでいつのまにかのめり込んでしまう作品だと思います。

シーズン1

エピソード1の冒頭は変則的な入り方をするので「あれ?間違えて予告編でも押しちゃったかな?」と錯覚してしまいましたがこれが本編で間違いなかった。舞台はアメリカのとある高校。ハンナという転校生の女の子が自殺をしてしまいます。その後彼女が残した「カセットテープ」から自殺に至った理由が明るみに出ることで騒動が巻き起こるという話になります。

シーズン1では13本のカセットをそれぞれエピソードとして進んでいきます。ハンナの自殺からスタートし、生前関係のあった異性・友人などとのやりとりをしながら物語は進んでいきます。しょっぱなからメインキャストが亡くなった状態でスタートするのですけど、テープを元にした回想シーンの過去と現在を行ったり来たりで進むため、まるでハンナが生きているような感覚でドラマが進みます。

悪いのはブライス一択

ハンナの自殺の最大の理由はやはりブライス。他の生徒のいじめうんぬんという問題も取り上げられていますがブライスの悪行と比べてみればいずれも大したことはない問題。と、簡単に片付けてしまうと表題の13の理由が成立しないドラマなので、建前上そこはそれぞれの事例を細かく掘り下げながら物語として進んでいく感じなのですね。

ブライスの性癖は一種の病気です。ジャスティンという親友の存在を知りながらその彼女を・・・とか、ハンナだって一見さんではなくて同級生ですからね。その後も学校で顔を合わせる機会があるのをわかっていてその行動を止められないというのはやはり完全なる病気。

ブライスが100%悪いのは言うまでもないですが加えて挙げるとするならばその取り巻きも悪い。誰も止めようとはしなかったのか?とか、見て見ぬ振りをしてきた罪はそれほど軽くはないと思います。それを言ってしまうと、ジャスティンが・・・彼女が襲われるのをわかっていて止めることができなかったことの罪も相当重いはずです。

クレイの性格

この男は何をさせてもイチイチ考えすぎる癖があるように思います。例えばテープを聞けと言われても、途中で深く悩んで聞くのを中断したり、気になったことを本人に確かめながらじゃないと次に進めないようなところです。

確かに物事をひとつづつ解決していくのは大切だと思います。クレイがやっているような地道な確認とかも重要ではある。だけどそれはあくまでも全体を把握してからの話なんじゃないかと。全体が掴めていないのであれば、何が優先かの判断すらつかないので。つまり特に必要じゃないようなことも無駄に拾ってしまって優先順位が崩れてしまう。クレイがやっていることは結構こういうことが多くて、本人を見ているととにかく情報を詰め込みすぎて度々パンクしていた。ただでさえ神経質な性格なのに。これじゃあ大事なところにたどり着く前に息切れしてしまうだろうと。案の定パンクしまくっていたけど・・・

なので私的にはクレイという男は面倒な奴という印象しかないのでした。

シーズン2

ハンナの自殺から5ヶ月後。関係者全員がテープを聞き終え、ハンナの遺族側から学校を相手とした訴訟が行われます。証人として関係した生徒が証言台に立ちそれぞれの話をします。真実を明らかにしようとする生徒たちへの嫌がらせがエスカレートしていく。そして裁判の行方は?という展開です。

このドラマ、シーズン1で長ったらしくその理由の説明がありますが、実際面白くなってくるのがこのシーズン2からなんじゃないかと思います。

生徒の本性が垣間見れる

生徒たちが証言を行っていきます。それまでの見た目とか言動からは全くわからなかった本性も現れます。保身をするもの、隠していた真実を話す者などなど。それぞれの本性が垣間見れます。

その中でも酷かったのがマーカス。こういうタイプ・・・居るかもしれませんね。出世しそうなタイプだなとも思った。テープを聞いた人間からすれば「なに言ってんのお前?」的な嘘ばかりの証言になるのですが、しらない人からすればお利口な、優等生にしか見えない発言なのではないかな?と。

証言後ブライスに「後々のためにうまくやっておいた」的な、なにか恩着せがましい言葉をかけます。テープを聞いた限り、マーカスがやっていたことはハンナを「ものにする」ためだけの行動でした。恐らく同級生たちに「俺はハンナを落とす!」みたいな、どこかゲームのような感覚もあったのではないかと。それが裁判では全く真逆の証言をすることになります。彼の良心はどこに行ってしまったのだろうか?そんな嘘をついたまま大人になって、その後の人生を楽しめるのか?

自身は生徒会長、親が議員、ハーバード入学というエリート街道邁進中のマーカス君ですが、中身は薄汚い偽善者で保身のためならなりふり構わず人を利用するという下劣極まりない人間のようです。天罰が下りますように。

ザックの印象が一変

アジア系アメリカ人のザック。彼の証言も新事実が飛び出した驚きのものでした。正直、彼もマーカスのような偽善者なのかな?という印象しか持っていませんでしたけど、彼の場合は全く逆で本心はとても優しい好青年であったことが判明。ブライスグループに溶け込んで生きていくために、無理をしてその優しさを消していたのではないかな?と思いました。可哀想な感じさえします。

それにしてもザックがハンナと付き合っていたなんて本当にビックリ!しかもお互いの初体験の相手だったなんてもっとビックリ。さらにさらに夏休みの間中かなりの頻度で愛し合っていたなんて意外も意外。彼らはお似合いだと思いますけどね。なんとなく気難しくて優柔不断なクレイよりもザックの方が付き合っていて楽しそうな気がします。

夏休みが終わってから付き合っていることを周囲に明かし、そのままの関係が続いていたとしたらハンナもそれほどの孤独は抱えていなかったのかもしれませんね。そういう意味でザックはハンナの中では大きな存在だったのではないかと思います。

ジャスティンがいい奴化する

ジャスティンがいい奴になってしまいます。ジェシカを半ば見殺しにした男です。止めようとすれば止められたのに。あ、でも被害者であるジェシカもジャスティンにはそれほど悪い感情を抱いているわけではないようですからね。ジェシカが良ければそれで良いということなんでしょうか?ブライスほどではなくてもジャスティンもほぼほぼ同罪なんじゃないかな?なんて思ったりして。でも本人はその後自暴自棄になったり家出したり、その後謝罪しようとか生き方を改めようとする努力を見せていますから、その点では許してあげても良い部分はあるのかな?と。

でもなぁ〜。簡単に言ってしまうと仲間に自分の彼女を寝取らせるようなことする奴なのは間違いないわけで。そういう彼を許せるのか?という疑問は大いに残りますけどね。

ブライスの転落

自業自得とはこのことです。噂とは怖いもので裁判後まもなく「街の名士ウォーカー家の息子」という立場から一転、「金持ちドラ息子で病的レイプ魔」に成り下がってしまうブライス。リバティ高校には居られず転校することに。加えて親の離婚。母親からは白い目で見られながら生活することに。仲間も全て去り、恋人からも捨てられる。転校先では自分がいじめの対象になってしまう。そりゃそうだ、卑劣なレイプ魔なのだから。

生きて行くのがツラいだろうなぁ〜

でもしかたないよね。実際は刑務所に入って長いこと服役するような罪なので、これでも生ヌルイといえばそうなのでしょう。

少し脱線しますが、ブライス役のジャスティン・プレンティス。見事なヒールを演じていますね。顔を見ただけで「コイツなんかムカつく」という人ってそうそう居ないですし、役者さんは特に美男美女が多いので、どう頑張っても「悪く見えない人」って多いと思います。そんな中で彼のこの顔。悪役としては得だよなぁ。体型もそうだし顔のつくりがなんとなく「若干ブサイクなのに勘違いして気取っている」感が出ていて良い感じでムカつく。このドラマのブライス役に大きな味付けをしています。

少年法という悪法

アメリカに少年法というのがあるのかどうか、またあった場合にどんな内容なのかがよくわかりません。ドラマを観ている限り、刑事で告訴されたブライスの罪が数ヶ月の保護観察止まりだったのでやはり非常にヌルイ刑罰に止まっているのではないかな?という印象があります。

日本でもそれは同様で、この種の重犯罪に対しての少年法の刑罰がとてつもなく軽すぎると思います。こういうドラマを観ていていつも思うのが「悪い奴がのうのうと暮らしている」ことへの怒り。

「疑わしきは罰せず」とか「更生を促す」というような、なんとなく加害者の更生に重点を置くのが今の法律なんじゃないかと。しかし実際のところ一般市民はほぼそんなこと望んでいなくて、昔習ったハンムラビ法典的な“目には目を、歯には歯を”のような、犯した罪と同等の罰を加害者に与えるべきというような意見が多いはず。だって・・・被害者が損するようなことが許されて良いはずがないわけだから。法律の専門家がどう思おうとそんなもん一般ピーポーにはほぼ重要ではない。むしろ大事なのは「やり得、逃げ得は絶対許さない」という純粋な報復の心理なのではないかと。

加害者が今回のブライスのように少年であっても、この犯罪のように人の尊厳を犯すような犯罪である場合には更生の余地など残す必要はないと思います。

殺人とか、性暴力とか、そもそも人を殺すとか犯すというようなことは普通に教育を受けてきた人間ならまずやらないこと。なのでそういう犯罪をする人間ていうのは普通じゃない、もしくは普通ではなくなっていると考えるのが妥当。彼らに更生してもらったからといって社会に何のメリットがあるのかな?となってくる。これが正当防衛で誤って殺してしまったとかそういう酌量の余地がある場合には更生というか助ける必要も出てくるとは思うけど、単純にムカついたから・・・とか性欲のために・・・とかいう身勝手極まりない理由で行った罪に対して、なぜ救済を行わなければならないのか?そしてそれを誰が望んでいるのか?

法律など所詮人が作った不完全な決まり事でしかないと思っているので、時代に合っていないならその時代の人が手を加えて良いものにしていくというのが正しいのかなと。今の少年法がまさにそれなんじゃないだろうか?

ということで、私が裁くとするならばブライスは終身刑。確信犯の連続レイプ魔に更生など必要なし。塀の中で一生反省して生きろということかな。外道を救済する前に被害者側を救済しろ!と思う。

テイラーへの暴行が残虐すぎる

ブライスの性暴力の表現も、生々しさはないにせよ残酷ではありました。だけど私が見ていて一番残酷だと思ったのがこのテイラーが受ける暴行シーン。酷すぎるぞ・・・。現実なら病院へ行くレベルの犯罪です。グラウンドを荒らした罪に対しての報復なのですがあまりにも過剰すぎる。モンゴメリーのムカつく顔も相まってこのシーンが残虐すぎるものになってしまいました。久々に吐き気を催すようなシーンを観てしまった感があります。想像に訴えるシーンって、下手にグロいスプラッターなものよりも残酷に映ると思います。

シーズン3

シーズン3は、銃乱射未遂騒動後のリバティ高校を描きます。ブライスの死について謎解きを行っていきます。ドラマの主旨うんぬんは置いておいて、このシーズン3の展開は個人的にいちばん興味が湧きそうです。

ドラマの主旨ブレてきた?

シーズン3にきてちょっとだけドラマの主旨にブレが生じているような気がしてきました。このドラマの本筋は「10代のリアルな若者が抱える悩みや問題を取り上げる」ことにあると思います。シーズン1と2はそれぞれハンナの自殺を通して生徒たちの心情を理解していくものでした。なので同じような悩みを抱える人へのメッセージになり得ていたと思います。

ところがここにきてシーズン3はブライスの死を巡って「誰が犯人か?」という謎解き推理ドラマへと一気に舵を切った感じです。シーズン2でも新事実が続々出るあたりで、若干の路線変更を感じてはいましたけど、シーズン3はそれが顕著になったという感じ。犯人誰だよ?みたいな推理が必要になってきます。

個人的にはこの展開でもドラマ自体は面白いと思うのでこういう方向転換も違和感がないと思うし、むしろより面白くなってきたかなと。

ただ一つ思うのはエンディングの「相談したいことがある人はこちらのサイトへ」みたいな告知の違和感。シーズン3を見ている人はもはや悩みを抱えているなんていう人たちではなく、単純に「犯人誰だろう?」とか「ブライス、ざまみろ」みたいな気持ちで娯楽要素として観ている人が大半だと思うので、若干の虚しさが漂ってくるのでした。

ジェシカの性癖が露呈

ブライスとの一件後、長く性行為への拒否反応があったジェシカですが、それがある時を境に復活。復活というか、開花が正解かも。性行為に対して攻撃的な一面を持ち合わせていることが判明します。

実はブライスとの事件の頃からすでに「加虐志向」はあったのでは?という疑問提起なのかなとも思いました。要するにこういう相手を虐げるプレイが好きな一面があるとすると、自分もそうされるのが好きなんじゃないの?みたいな。だとすれば、ブライスから暴力を受けたと言うけど実際は自分もそういうのを望んでいたのでは?みたいな印象付けがあるのかなと。ジェシカ!あんた被害者ぶってるけど実はまんざらでもなく虐げられることを楽しんでいたのでは?みたいなアンチジェシカを誘う要素を与えられているような感覚にもなりますね。

性癖って誰でもなにかしら持っていて、どういうものに「興奮」するかというのは人それぞれ。なのでジェシカだって当然性癖があって当たり前。性被害者だからと言って清純であり続ける必要はないので、どういうプレイが好きであろうが何の問題もないということです。

とは言うものの建前ではそう思っていても、実際ジェシカは性被害を訴えていて「性暴力反対!」と訴えて生徒会長までやっている。そんな彼女が実は自分本位の状態での性行為に趣味があるという事実。攻撃性の性質が“癖”と“犯罪”という全く違うものなので同列で話をするつもりはないけど、心の片隅に「実はそういうのが好きだったとすると、ブライスとの一件もまんざら・・・」みたいな良からぬことをぼんやりと考えてしまうのでした。そんなことを考えてしまう自分は最低だなと・・・。

クレイの優柔不断が強烈にイラッとする

(2020/9/1更新)

シーズン3も中盤に差し掛かってきましたが、依然としてブライスを殺害した犯人の特定には至らず、リバティ高校の仲間たちの間にも疑心暗鬼が生じてきています。テイラーでもない、ジャスティンとジェシカでもない、トニーか?クレイ?・・・でもなさそうですね。いったい誰なんだろう?

ということで物語が淡々と犯人探しの展開で進んでおります。ここで最近一気に気になり出したのがクレイの態度。

彼のなんでもかんでも隠す癖や、大事なところで発言しない性格によって本来であればサラッと解決してそうな問題がやたらとややこしくなってきています。なぜ彼はこれほどまで物事を隠すことに執着するのだろうか?テイラーを疑っていたシーンでも、後を追っていった時にバッグの中身はもしかして銃なんじゃないのか?とひと言なぜ言えないんだ?最後はテイラーが疑われていることを察知して自ら告白するのだけど、そうなる前にクレイが聞いてあげていればテイラーも嫌な思いをせずにいられたのではないか。

言わないことで結果がよくなることって結構あると思うけど、反対に言うべき時に言わないことで最悪の結果になることも同じくらいあると思います。クレイがやっているのは後者。こんなことを続けていると仲間からの信頼も失うし、解決するはずのこともできなくなったりするはずです。

個人的に、煮え切らない男っていうのがとにかく嫌いなのでクレイの態度にいちいちイラッとしています。

ブライスに同情してしまう自分

頭の中ではわかっていても、ブライスが反省や苦悩をする姿をみてしまうとどうしても同情してしまう自分もいます。しかし彼は連続レイプ犯。昏睡して意識すらない同級生の女の子たちを相手に卑劣な行為を行ったのは事実、そしてそれを記念に残す意味合いなのか写真として仲間に撮らせて記録していたというのも事実。この程度の反省や後悔など彼がやったことに比べたらまだまだ甘い・・・はずだけども。

「できるなら良い人間に生まれ変わりたいと思っている」

こういう正直な苦悩を聞いてしまい、またそれを実践しようと努力している姿を見せられるとやっぱり可哀想に思えてしまうのでした。

やっぱりだからこそ、きちんと罰を受けさせる意味で刑務所へ送るべきだったのではないかな?と思ってしまいます。何事もなかったかのように普段の生活に戻したところで、周囲からのバッシングが止むわけもないし今までと同じ人間関係に戻れるはずはない。被害者だって彼の顔を見るたびに苦しむ。ならば刑務所でしっかり罰を受けさせることが加害者被害者双方にとって最善の選択だったのではないかな?と思ってしまう。

ドラマのブライスのように、しっかり自分と向き合って反省し真人間になりたい!と思う人間ばかりならこういう更生を促すのがメインの罰も機能するのかな?なんて考えてしまう。

いや、でもでも・・・実際には「軽い罪で済んで良かった〜」というような何の反省もない人間の方がむしろ多数派なんだろうからやっぱりこういう保護観察なんて甘い処分はそれほど機能しないのではないかなと思う。人の本性が表に見えるものであれば「あ、こいつちゃんと反省してる!」とかわかるので苦労しないのだけど、そうではないからこの更生プログラム的なものの効果が正確には検証できないという欠点になっているのでしょうね。

本当に反省している人間は許してあげても良いと思うし、反対に全く反省していない奴はより重い罰を与えて欲しいと思うし。

難しい問題だよなぁ・・・

テイラーがお尻事件をクレイに告白

あんな酷いことされていて今まで黙っていたテイラーもどうかしてると思う。立派な傷害事件です。余裕な顔つきで高校生活を満喫しているモンゴメリを見る度に怒りが湧いてきます。

でもってようやくクレイにあの事件の全てを打ち明けます。テイラー可哀想すぎる。恥なんて思う必要ないんだよ!と。君は被害者だ。クレイはそこまで深く掘り下げずテイラーがどうしたいかということに寄り添ってあげています。こういう時のクレイは本当に良い奴だと思う。

モンゴメリにはこの後しっかりと罰を受けてもらいたいと思いますね。

シーズン3いろんな意味で衝撃のラスト

(2020/9/5更新)

結論から言うと「なんだそりゃ?」のラスト。度々書いてきたので重ねてになりますがストーリー息切れしてる?という感想しかない。シーズン3もたっぷり13エピソードを使って延々と犯人探しを行ってきたわけですが、そこまで引っ張ってきながらこの程度のオチなのか?ということ。この作品はちょっと前の話題作ということらしいのですが、それは恐らくシーズン1、2程度までの話であって少なくともこのシーズン3にはその評価に見合うだけのクオリティは感じませんでした。

なにが雑か?って。まずブライスを殺すほどの恨みを抱えている人間が関係者の間にどれほど居たのかというところから考えてみます。

  • クレイ→(恋人だと妄想していたハンナを自殺に追い込んだのがブライスだから)
  • ジェシカ→(自分を傷つけたのがブライスだから)

くらいじゃないでしょうか?ジャスティンもという話も出てきそうですけど、確かにジャスティンも彼女を侮辱された恨みはあったものの、元々ブライスを暴走させてしまったのはジャスティンでもあるので「お前も同罪だろ?」という点でジャスティンには今更殺すほどの動機は感じません。後の同級生たちもほぼほぼ似たり寄ったりでしょう。直接の恨みはあるものの殺害まで至る可能性を感じません。人を殺すって相当の恨みですからね。

ということで、このシーズン3のオチにはそれなりの強い殺意を持つに至った納得できる動機が必要だったわけで、それを13話も引っ張ってきたからにはその真相のネタバラシがラスト付近で必須だったはず。

で結果どうだったか?というと・・・「え?彼らが犯行に至るというのはあまりにも唐突すぎませんか?」という内容だった。動機もまたツギハギしたようなざっくりとしたもので「とっさに」とか「刹那に」なんていう程度のものだったから違う意味で衝撃的でした。

おいおい・・・これシーズン4に引っ張るみたいだけどどういう展開にしていくつもりなんだか。

シーズン4

(2020/9/7更新)

シーズン4はクレイ達が進級して最終学年になっています。4年生って言ってる???調べてみたらアメリカの学年制度って日本と違うみたいで高校生は4年間なんだそうです。5・3・4・4みたいな感じですかね。

で、リバティ高校の面々もそれぞれの進路を決める悩ましい時期にきていました。このシーズンではブライスの死とモンティが関与していたかどうかの真相究明。そしてそれに関わった生徒たちの心の問題を取り上げていくようです。

て言うか、友達が殺したことをこの先も隠していくのか?

シーズン3でさらっと犯人隠匿をしてしまったリバティ高校の面々。シーズン4ではそれにはあまり触れずに各々の心の葛藤を描くというテーマで話が進んでいくようです。

いやいや・・・シーズン1〜2であれだけ真実を知りたい!とかブライスに嘘をつくな!とか言って糾弾していたよね?なのに自分らはそれでいいのか?結局自分たちもあれほど嫌っていた「保身」をしているじゃないか。「ブライスは罰を受けて当然だったから死んで当たり前。だから多少隠しても悪ではない」というのが言い分なのでしょう。あろうことか死人に口無しで死んだ人間に罪を着せてしまうという悪事を重ねてしまいますし。

クレイ、お前らもただの偽善者だな。

ゲイ率が高まっているのはなぜか?

シーズン3から一気に急増した感のあるゲイ。元々多いなとは思っていたけども・・・

  • トニー
  • アレックス
  • ウィンストン
  • チャーリー
  • ライアン
  • モンゴメリ(モンティ)
  • ザック

後から後からどんどん増えてきています。これってリバティ高校のごく一部の生徒内の話だよね?と。ということは友達がいたら半分はゲイだった!みたいなこと現実にあんのかい!と意地悪なことを言ってみたくなります。ゲイは決してマイノリティではないよ!というメッセージなのかよくわかりませんが、いやいやマイノリティです。彼らの性的指向をとやかく言うつもりもないし反対派でもなければヘイトする気もありません。だけど事実として見ればやっぱりこの数自体は違和感ありあり。自らのアイデンティティは性的少数派だから少しでも声を挙げて差別を無くしていこう!というのが本来のLGBTの方が活動している方向性だと理解していたので、このドラマが描くように実は私も、いや俺も実はみたいに次々とカミングアウトをして声を挙げないけれど実は周りにも沢山仲間がいるんだよ!みたいに描くのはちょっとどうなのかな?と思ったりしました。

テイラーのひとこと「ストレスは友達かな・・・」が印象的

名言かもしれませんね。テイラーが大学の面接で聞かれた質問の中に「高校生活でのストレスとは?」というものがあったそうです。で、答えたのかどうかわからないけどテイラーが考えたストレスの根源は「友達」

本来友達の存在っていうのはストレスではなく幸せとか安心感というものだと誰もが思っているはずです。だから親友であるとか、仲の良いグループとの良好な関係性を懸命に守ろうとします。だけど実際はその友達自体がストレスになっていることもまた事実かなと。良好な関係を維持するために本当の自分を押し殺して周囲と同調してみたり、踏み込んで欲しくないところまで入ってこられても文句を言えずに我慢しなきゃならないなんてこともあったり。

大事な友人関係を守ろうとする行動そのものが実は大きなストレスなのではないか?そんなことをテイラーも考えているのでした。これには共感するところが多い。

あの一件ってクレイだったんだ・・・

シーズン4フィナーレ目前まできました。この辺でシャドーサイドのクレイの行動が注目されます。個人的には実はシーズン3のブライス殺害自体がクレイの別人格が引き起こしたものではないのか?と読んでいたのですがそれは見事にハズレていたのでクレイの問題行動はその他の騒動には無関係だったのかな?とマークが外れていたところでした。しかしシーズン4も佳境にきて突然クレイの夢遊病的な行動が発覚。

結局クレイはブライスの件やモンティの件の終わり方には納得していなかったということがわかった。だから学校の落書きもやったし監視カメラの破壊もやった。モンティの件は知っているんだぞ!と。

これって自分の仲間への警告なんでしょうね。「このまま終わらせていいのか?」という問いかけ。嘘をつき通して生きていくのか?そんなの俺には耐えられないぞ!という意思表示なのでしょう。そりゃそうだろうな、殺人の真犯人を知っていて隠しているわけだからそれこそ生きた心地などしないですね。いつバレるのかに怯える日々。私ならゲロって早く楽になりたいと思うはず。この問いかけに仲間はどういう行動に出るのでしょうか?私が気になっているのは特に張本人のアレックス。一番重圧を抱えていなきゃいけないはずなのにどこか他人事すぎる態度が非常に腹立たしいというか無責任。

そもそも、お前が思いつきの行動をしなければこんなことにならなかったんだゾ・・・と。

プロムからジャスティンのこと

(2020/9/10更新)

ヘイヘイ、ホーホーという「与作か!」と言いたくなるような掛け声のもと生徒たちの学校ボイコット事件が発生。その件でプロム開催までもが危ぶまれます。ですがどうにか開催が決定。その頃ジャスティンに異変が。

プロムでは各々が今までの学生生活を振り返りながら楽しい時間を過ごします。その中でどうもパッとしないのがクレイ。友達にはそれぞれの道を歩みはじめようとする姿がみえるのですが、クレイだけは今までの出来事にまだ引きずられている感じ。そういう未練がましいところがおじさんとしては嫌いだなぁ。やっぱり気持ちを切り替えて先に進まないとダメだと思う。過去には戻れないし修正もできないのだから。

でもってプロムクイーン&キングを決めることになりますが、この年のキング&クイーンはアレックスとチャーリー。ここでもゲイの勝利。このドラマなぜにここまでゴリゴリとゲイ推ししてくるのかがやっぱりわかりません。

その後彼らは学校のセキュリティ担当者のファウンドリーと歓談。そこでファウンドリーもゲイだというカミングアウトが。アレックスからチャーリーへのセリフ「彼もゲイだったのか!」・・・いやいや、お前もそれな。

プロム終盤ジャスティンが登場、ジェシカとよりを戻しますがそれも束の間ジャスティンが倒れてしまう。なんですと?伏線を張っていたお葬式のシーンを思い出しました。あれは彼だったのか?

ジャスティンの死

シーズン4で、現実と虚構の境目がどこにあるのかわからないようなドラマを延々と観ることになっていたラストも正直ボロボロで終わるのかな?と思っていたのですが、ジャスティンのHIV感染が判明。そこから一気に引き戻された感増しました。ジャスティンって薬からも抜け出せないようななんとなくダメな奴なんだけど、それでも友達であるとか人に対しての優しさがある奴でこのドラマではとても好きな役でした。その彼がこの若さで逝かなければならないとは・・・。最期の病室でクレイとの会話のシーン。「兄弟・・・」って言葉と握手がなんとも切なすぎた。

もう十分人生を楽しんできたあと先短いジジババが逝ってしまうのとはわけが違う。素敵なパートナーと出会ったり、好きな仕事に就いたり、子供もできたり・・・まだ18そこらの若者にはこの先いろいろな可能性があったはず。だけどもう自力ではどうすることもできないとわかった時の絶望っていうのは自分のこととして想像してみるとあまりに残酷。元気な友達のことを羨むはずだし、自分だけがなんで!という怒りもあるかも。そして死んでしまったらどうなるんだという恐怖も。

「死んで良い人間などどこにもいない」というセリフがあったと思うけど、本当にそうだなと。精一杯生きることの大切さを感じるシーンでした。

卒業式から旅立ち

シーズンフィナーレです。

卒業式でのクレイの代表スピーチからその後の仲間たちとの再会と回想。青春の1ページですよね。

クレイは大学に合格し新恋人の予感も出てきた。アレックスはウィンストンに事件の全てを告白。トニーはパートナーと新しい生活に。ザックは指導者の道へ。それぞれの道をあゆみはじめようとしています。突き抜けるような青空のもとライアンなど旧メンバーも揃ってハンナのテープを埋葬します。これでようやく全ての終わりがきたか!と・・・クレイはジャスティンの手紙を発見。そこにはクレイや家族への感謝の言葉が。このシーンで歳のせいか涙腺が・・・

そしてトニーに送られて街を離れるクレイ。シーズン1でトニーの車で街を流したことを思い出すようなシーンでした。

観了。

結局、ブライス事件の捜査も打ち切りになり、ウィンストンに真相を打ち明けたものの彼もアレックスをどこかで想っていたので不問に処すことに。結果アレックスは何事もなかったことで真相は葬られたことに。

・・・引っ張った割りには随分あっさり解決してしまったネ。

シーズン4のほぼすべてがこの「ブライス殺人事件の真犯人を探せ」というテーマだったし、クレイなんかは精神疾患を患うことにもなったほど厳しい状況が続いていた。だけどこうもあっさりと決着してしまったことで拍子抜けしてしまった感は否めません。むしろジャスティンの死の方がインパクト大だったみたいな感じだし。

現実的な話をします。時間にして8話分なので8時間ほどまあまあ貴重な時間をつぎ込んで観てきました。それが最後の数分でひじょ〜に薄っぺらく解決されてしまった。ウィンストンがアレックスに「ハグして良いかな?」で全て終わったみたいな?じゃあ最初からアレックスが正直に打ち明けて、ハグさせときゃ良かったんじゃない?みたいな。8時間を返してくれ!

ラストシーンで清々しさを感じることができたのでまあ良いけど、これぞザ・アメリカ作品という感じのぼんやりした終わり方の作品でした。

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