「マイケル・ジョーダン:ラストダンス」ざっくりあらすじと感想

ざっくりあらすじ

Netflixオリジナル作品。マイケル・ジョーダンの選手生活回想録です。生い立ちからドラフト、チームメイトとの軋轢や裏話など1シーズン10話たっぷりと紹介する力作になっています。バスケファンじゃなくてもジョーダンくらいは知っている人が多いと思いますので、そういう方が観ても楽しめる作品に仕上がっているはずです。

感想

マイケルは聖人ではなかった

マイケル・ジョーダンを表現しろと言われると、私なら端正なルックス、ファッションアイコン、エアー、神、クリーンというような言葉が浮かびます。この当時のNBAにおいて、後にチームメイトになるデニス・ロッドマンなどのようないわゆる「ダーティ」なイメージはジョーダンにはありませんでした。

しかし実はそうでもなかったと・・・この作品を観て気がついてしまったのでした。そんなわけでこの作品、私の中ではちょっとだけ衝撃的な作品でした。バスケの神様、模範的プロスポーツ選手だとずっと思ってきたジョーダンが実は意外とわがままだったり、気分屋だったり、パワハラ上司だったり。そういう一面が垣間見れるのでした。

脇役の苦悩もまた面白い

この作品、マイケルの話が本筋ですが、それ以外にもチームメイトの話題にもかなりの時間を割きます。その中で特に注目だったのがピペンの話。

どんなところが気になったか?・・・彼の選手としての価値はこのブルズじゃなければもっと上がっていたかもしれません。年俸の面だってそうだし、選手としての扱いの部分もしかり。だけど、反対にジョーダンとの出会いが無ければ彼の才能は開花していたのだろうか?という疑問も湧いてきます。

個人的には、彼の才能はジョーダンによって開花した、そして彼の価値を下げたのもまたジョーダンだったのだろうというのが感想です。年俸への不満についての話もありますが、これは不運としか言いようがありません。そういう時代だったという部分もありますし、複数年を選択してしまった彼のミスという部分もある。

もうひとつ面白い話として、ロッドマンのサイドストーリーもあります。彼は問題児という扱いを受けていたと思いますが、よくよく見ていくと単純にそうでもないよなという印象は受けました。というか・・・彼はとても繊細な人なんだろうなと。プレーオフの重要な試合の中日に行方不明になって遊びに出かけるなんて選手・・・普通ならいないよな!と。でも彼は平気でやっちゃう。端から見ればただのわがままなんだろうけど、彼のメンタルはこれでバランスが保たれているとすると、この行動は他の人にとってのリラックス方法なんだろうなと。これも作品を観るまで誤解していた部分です。

マイケル、結構嫌なヤツ説

どんなスポーツ、また団体活動もそうだから社会全体がそうだと思いますが、ボスは必要になってきます。ブルズの場合ジョーダンがそれなのは周知のとおりですし、それが100%正解でもある。なので、マイケルに従わないものはそのチームでの居場所は無いというのも当然の話。

結果として通算6度の優勝の偉業を成し遂げたのだからマイケルは優れたボスだったのでしょう。だけど、それは周囲の我慢や忍耐があってのことだったことがこの作品をみて理解できました。この当時のチームメイトはなんて大人だったんだ!マイケルの強力なリーダーシップが不可欠だったのは言うまでもないけど、それを支える脇役の忠誠心も同等に評価されてしかるべきだと誰もが思うはずです。

だいたい、練習中ずっと暴言を吐かれたり、罵られたりします。部活程度のレベルで上手い選手ではなく全米からドラフトで選ばれたエリート中のエリートたちが。一流の選手ですからプライドも相当なものでしょうが、それをこき下ろすマイケル。普通だったら総スカンを食いそうなものですがマイケルの場合だけは別だったということでしょう。

こんなことされても、全員が忠誠心を見失わずに着いていけた理由はひとつだけかな?と思います。それはマイケルの圧倒的な実績と選手としての技術があったから。並レベル選手が行う叱咤激励はパワハラ、超絶一流レベルの選手が行うそれは指導ということになるということかもしれません。「アイツが言うんなら間違いない!」と誰もが認める選手、そういう存在だったマイケルはやはり神なんだろうなと再確認できました。

Pocket