「マインドハンター」各シーズンざっくりあらすじと感想

なにこの作品・・・と思ったけど、話を進めるごとに面白いではないですか!という作品。「ビリオンズ」をほったらかしてこちらに興味アリアリの今日この頃。

ざっくりあらすじ

あらすじなどほぼ無し。1話(ほぼ)完結型のドラマです。舞台はアメリカ。FBIの分析捜査の草分けを担った人物たちの葛藤を描く!みたいなストーリーです。猟奇的犯罪者にフォーカスして、「犯罪者目線で犯罪者を知る」というとても重苦しいテーマなのですが、内容的には全く堅苦しさは感じません。「うわぁ〜」というグロいシーンもほぼないので、そういう心配なしに観れる作品だと思います(テーマが重いので、想像しただけで胸糞悪くなる部分はあるけど)

おもなキャスト

私が知らないだけなのだと思いますが、ほぼ初見の俳優さんばかり。メインキャストで唯一知っている顔はアナ・トーヴ。彼女は「フリンジ」シリーズで一躍ブレイクした女優さんだったと記憶しています。相変わらずお綺麗で。

毎年数多のテレビドラマシリーズが制作される昨今、「誰これ?」というような主役が初見さんという状態は特に珍しいことではなくなって参りました。今回もまさにそうなのですが・・・マインドハンターに出演されている俳優さんたちはとにかく影が薄すぎて、未だに顔を覚えておりません。というか、このドラマ観ているとわかりますが、メインキャストはFBI側なのですが、実は本当の主役が受刑者(凶悪犯)たちというちょっと異色のドラマなのではないかと。主役は覚えていないけど、エド・ケンパーの顔はしっかり把握できる!みたいなことになっています。

シーズン1

なかなか理解されないマインドハンターたち

初めからとんでもなく猟奇的な犯罪者と接触することになります。ちなみに!FBI捜査官は架空の人物なのかよくわかりませんが、犯罪者についていえば全て実在の人物。犯行内容などもすべて事実。ということを踏まえて観ていくと、とても人とは思えないような残虐な行為をする輩が居たんだなと。なので被害者側の立場になって考えると「こいつら全員、打首獄門!」というような感情がすんなりと湧いてくるのでした。処罰感情がハンパなく芽生えるはずです。

それはFBI捜査官たちも同様なんだと思いますが、彼らはそれを「罰するという立場」ではなく「理解する」という立ち位置から接触していくのでした。当時はこういう犯罪捜査はアメリカでも異端だったようで、所轄の警察(アメリカでは郡・州警察や保安官など)などに出張していくと、冷やかしの対象になっていたようです。ドラマのシーンでも鼻であしらうような態度を取られているのがよくわかります。犯罪者=悪人=処罰するだけというのが、この当時の普通の感覚だったようですので、そりゃ「犯罪者の話に耳を傾ける」なんてこと、理解されるわけないよね!と。理解してどうするんだ?できるわけね〜だろ、変人なんだから!みたいな感覚だったのだろうと思います。

被害者側の意識としては当然理解するなんていう感覚になれないのですけど、FBIとしてはあくまでも客観的に彼らを観察し「行動心理」を学習して同じ様な「猟奇的なやつらの」行動を理解して捜査に活用しようとした努力が読み取れます。

サイコパスが普通の人過ぎて怖い

そういえば、過去に類似する作品ってあったかな?と思い出してみることに。デヴィッド・フィンチャー・・・「セブン」か?。あの映画も猟奇的犯罪というテーマでは一致していたけど、LUST(肉欲)の事件のインパクトが強すぎて覚えているのはそれらの残虐的なシーンのみ。他は忘れていました。もう20数年前の話ですからね・・・。

ということで少し巻き戻して「セブン」を観てみることにしました。

あったあった!ラストで容疑者(ケヴィン・スペーシー)を車に乗せて広野へ向かうシーン。彼は全く悪気なく、そして大真面目に自分の犯行の正当性を主張していた。ちなみにこの後のシーンが非常に残酷で、この当時、鑑賞後しばらく憂鬱になっていたのを覚えています。

「セブン」のケヴィン・スペーシー(ジョン役)もそうだし、マインドハンターに出てくるサイコパス(反社会的人格者)もほぼ同じなんだけど、見た目、言動や行動はごく普通。若干挙動不審ではあるけど巷にはまあまあ居る感じの人たち。特にエド・ケンパーなんて知的と言ってもよいレベル。相手の行動や仕草、空気感を読んでその時の気持ちやそれに至った経緯などを冷静に客観的に推測することができたようです。

だけど彼は正真正銘のサイコパス。外見をみただけでは善人か悪人かの区別などつきません。そこらへんのどヤンキーとか本職のおじさま達なんかは、ひと目で「うわぁ!なんかヤバそう〜」とわかるのに、サイコパスはそれが全くわからない。これって非常に恐ろしい。恐らく自分の周囲にも少なからずこういう傾向の人って居る(一度は接点があったこともある?)のだろうと思っています。我々の身近な人がある事柄をきっかけに急にスイッチが入り、突然人格が変わったとしたらどうでしょうね・・・怖いよなぁ。一見普通だった隣人が実は・・・みたいなことになったら。予見すらできないのでこうなると防ぐ術なしという感じ。

ドラマ冒頭のカンザスの1シーンが気になって仕方がない。

ほぼ毎話の冒頭、カンザス州パークシティのシーンが約1分ほど挿入されています。シーズン1からずっと続いているので、このシーンが気になっている人は大勢いると思います。シーズン1も終盤にさしかかりましたけど、辛うじてまだ犯罪を起こしていません。このシーン少しづつですが狂気の度合いがエスカレートしてきているのと、周囲も異変に気づきはじめているのがわかります。奥さん・・・それ見ちゃったら、しかるべきところに相談しなきゃダメなやつですよ!とアドバイスしたくなります。未然犯罪防止の観点から言うと、家庭内でのこういう問題行動を放置したり見て見ぬふりをするところから、どんどんエスカレートする傾向にあるのだと思います。無関心って言うのもなかなか問題なのですが、かといって干渉しすぎるのも問題なわけで・・・そのあたりのさじ加減はとても難しいですよね。

シーズン2

ハイリスク&リターン

FBI支局長が交代。新たなボスはホールデンの脱線すれすれの異才を伸ばそうと尽力してくれます。とは言ってもボスの本音を言えばホールデンも単なる駒のひとつであって、うまく行けば自身の出世レースに寄与するし、ヘマやらかしたとしても「未知の分野への投資」ということで痛手は最小限に済む話なので、いずれにしてもメリット面が多いということを考えただけかな。異才を伸ばすという言い方よりはむしろハイリスクだけど成功したときのリターンは計り知れないというような打算的思惑が見受けられます。

映画やドラマで描かれるものが全て真実ではないと言うのは十分承知していますが、それでもその国の気質っていうのはこういう作品に現れるのは確かで、そういう捉え方から言えば作品で表現される事柄は「当たらずも遠からず」なんだと理解しています。

それを踏まえて言うと、アメリカっていう国の仕事への評価は、リスクを取って結果を出したものを正当に評価するのは確かだろうと。とにかく、功績を出すものは、キャリアを上げていきますのでね。

一方、日本はと言えば・・・

私個人としても、仕事上で官庁との取引もよく経験しておりますが、まあ、本当に、前例踏襲が徹底している。言葉が悪いですが、バカが付くほど忠実にそれを守ります。今までにない試みとか、前例がないということにチャレンジする人が極端に少ない。これはある程度の役職に進んで、ある程度の決定権があるような方でも同様ですので、この役の人がこれでは若手なんて何もできんよね?ということになります。役職者からしてリスクを取らないので、若手も当然・・・です。顔色を伺う能力だけは磨かれるようです。

巨額を費やして造ったシステムを利用して申請したのは良いけど、現場はアナログでのダブルチェックだったなんて言うニュースを見ていて、前例踏襲主義の限界を感じた国民は大勢居ると思います。そろそろ抜本的にそういう仕組みを変える時期に来ているのだろうと。とりあえず、二世でもタレントでも長老(=老害)でもどうでも良いけど、仕事を理解している人間をポストに付けるような任命制度にした方がよろしいかと。なんなら全員専門分野の民間人の方が良い仕事すると思うのだけど・・・(選挙のときだけ声張ってる国会議員って邪魔なんでね)

トップが無能である限り、前例踏襲が一番無難な選択肢ですから、それを変えるには剛腕優秀なボスが必要ということかと。

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