「オザークへようこそ」各シーズンざっくりあらすじと感想

このところ新型コロナ関連のニュースに興味が移っているので、ドラマを観る機会が減っています。そんな中ですが、前々から気になっていたこの「オザーク」・・・いま観ていました。

ざっくりあらすじ

初っ端から怪しげにスタートするドラマですね。薄暗い、小汚いドラマを容易に連想させる仕立てになっていますが、数話進めていくとそれが的中。本当に薄暗く、小汚く、場末感が漂いまくっています。

ネタバレしない程度のあらすじですが、舞台アメリカ、海外の麻薬カルテルから資金洗浄(マネーロンダリング)を請け負っている主人公マーティの話。

エピソード1で本業が映し出されますが、恐らく表向き投資会社の共同経営者というのが肩書きのようです。すぐに転落しますので2話目以降、超絶怪しげなエンジェル投資家、裏の顔はマネロンおやじとして家族と共にオザークに移り住むということになっていきます。

シーズン1

マネロンって?

マネーロンダリングって言葉は聞くけど、実際どういう手口で行うかなんて一般の我々にはわかりませんよね。マーティがオザークへ引っ越してすぐに開始するのが「投資先の開拓」。投資先を作るのは良いけど、それを使ってマネロンっていったいどうやってやるの?と、この次点でも素人の私にはよく理解できていません。

確かオザークへ来る前に銀行から引き出したのが800万ドル。8億円。依頼主のカルテルのボスに「800万ドルを3ヶ月で洗浄します・・・」みたいなこと言ってたけど、そのまま現金を渡すだけではダメな訳?と思いませんか?

これ気になって調べてみたら、ダメな理由がなんとなくわかりました。例えば現金で海外からお金を持ち込むor持ち出す場合、法律によって上限が決められているようです。一般の人が旅行などで大量のお金を持ち歩くことなどまずありませんから良くわからないですよね。これが外為法と呼ばれるものなんだそうです。聞いたことあるなぁ〜。一度に許可されているのが大体100万円とかなので、8億となると800回往復すれば人力でも可能ということなんでしょうか。でも、毎回そんなことやってたら税関に目を付けられてしまいそうですね。

それでは、税関を通さないルート、例えば船とかプライベートジェットではどうなんだろう?出来そうな気がしますよね。最近もゴーンさんがトランクに入って易々と出国できたくらいですから、やろうと思えばやれる。なので、結構ザルなんじゃないのかな?なんて思ってしまいます。

マーティの場合は、ダミー会社の経営を通して合法的にお金を回して洗浄していくというやり方をしていくということなんじゃないかとようやく理解することができました。

場末感がハンパないオザーク。

オザークは湖を売りにした観光地ということですが、見た限りとてもリゾート風には見えないし、どちらかというとド田舎の寂れた街という感じ。マーティが投資先(マネロン用ダミー会社)として選んだのはその中でもさらに寂れた場末の酒場みたいなお店。おっぱいクラブとか、潰れかけのドライブインのようなところ(最近わかったけど一応ホテルらしい)。

登場してくる地元の人たちも、まあ小汚い服装というか汗染みがしっかりわかるだらしない服を着た人ばかり。

  • エロ
  • 汚い
  • アヤシイ

この三つが揃っているので、とにかく「終わってる感」がハンパないのですが、マーティ一家はどうか?と言えば奥さん、子供含めなんとなく育ちの良さが漂うので、地元民とのギャップがより鮮明になります。汚いところに綺麗なものが混ざる感じ。そして、馴染んでいく感じ。マーティの娘も引越し当初は清楚な感じを持っていたのですが、地元で知り合ったパーティピーポー風な男と・・・みたいな感じで徐々に薄汚れていく様が妙に興味をそそられます。

鬱陶しいスネル家

裏の顔が麻薬製造。表の顔がちょっとした地元の名士という感じのスネル。彼らがとにかく面倒ばかり起こすので鬱陶しい存在になります。当初マーティにとっても目障りな存在となっていますが、ある時から運命共同体という感じに変化します。マーティ的にはナバロカルテル側と組んだ方が得だろうなと思っていた私としてはちょっと意外。ナバロも幹部を殺されて黙っていないはずなんだけど、なぜか黙っちゃうし・・・

ということで、マーティとナバロカルテルの問題が、いつのまにかスネルも絡んできてごちゃごちゃになってきています。

動画28回も観ちゃうマーティはド変態確定。

1話目から度々目撃することになるのがマーティの「動画チラ見シーン」。何を観ているのか?というと、かなりキワドイ動画です。これについては

  • 本人の背中を眺めて観る動画ではないだろ
  • これで興奮しちゃうとかの性癖?
  • というか、自分ならこれ観たく無いな。

というような意見が大半ではないかと。まず、本人の背中を眺めながらその本人の卑猥な動画を観るってどんだけ変態なんだ?ということ。次になぜ20回以上も同じものを観ているのか?ということ。その動画事態がフェティシズムということなのか?。そもそも、自分の奥さんのそんな動画をよく観ることができるなということ。私だったら無理だし、たぶん一緒に暮らせないかも。そんなに大人になれません。なんか裏切られた感じしか残らないよな・・・。

ところでマーティですが、その後奥さんとの性愛シーンがありますが、そこでまさかのお尻ペンペン・・・やめてくれ。

だいたい、奥さんの不倫動画を何度も観続けること事態すでに変態ですが、それに輪をかけて本人との行為の最中にあろうことか動画内でやっていたお尻ペンペンをマネするとか、真面目に変態だから!さらにその後の夫婦の会話もどうかしていて。

「マーティ、前はそんなことしなかったわよね?」
「いや・・・君が喜ぶかと思って・・・」
「・・・」

いやいや、突然お尻叩きはじめるとか普通ないからね・・・
ということでマーティは頭脳明晰なのですが同じくらい度を越した変態ということもわかった瞬間でした。

シーズン2

シーズン2に突入して、現在6話目あたりまで進んでいます。相変わらずのグランジ感満載の展開。全編挿入歌がニルヴァーナで良いんじゃないかと思うほどです。ラングモアのお兄ちゃんがギター練習をしているシーンでこれぞグランジっぽい歌を聴くことができますが、その時のお父さん(幽霊)の歌声に痺れました・・・渋すぎる。

カジノ利権からのピンチ

どす黒い利権争いの展開。地元ギャングからの警告にはじまり、ナヴァロからの圧力。そして相変わらずの厄介スネル。そこにFBIの手入れが・・・という展開でもう絶対絶命のピンチ。

自分がもしマーティなら絶対に泣きが入る場面ですが、マーティは全く諦めない。尋常じゃ無い強メンタルの持ち主です。FBIのガサが入った時、司法取引を提案されたのだからそこで乗れば良いのになぁ〜と思ったのですが見事に拒否。意外だったのが、ウェンディ(マーティ妻)も、もはや完全にマーティ一味と化していたこと。家族にはこういう団結の仕方もあるのかなぁ?と、自分の家族と比較しながら考えてみました。我が家の場合もし私がこういう「ヤバイ稼業」をやっていたとしたら、即離婚だわな・・・なんて。絶対にこんなこと許してもらえないし、まして協力してくれるなんてこと100%ありえない。せいぜい「勝手にやれば!私無関係なので・・・」みたいな展開になるはず。それが普通だけど。

シーズン2の中弛み(なかだるみ)

長いシーズンものになると、他のドラマでも良くあることですが本作のシーズン2も例外なくそんなことに。ルース父の出所後から歯車が狂いだした感がありましたが、この邪魔者が真っ当な仕事(実際はほぼ裏稼業)に就いて頑張ろうとしているルースをラングモアの本流へと引きずり込もうとします。しかもねちっこく、執拗に。仮出所中なんだから、これを機会に更生してくれれば良いのだけど根がダメ人間には通用しません。金を稼ぐ=強盗とか、とにかくまともに稼ぐという概念がないのか、考えることと言えば悪事のみ・・・イライラするぅ〜。

こんな感じと、スネル家のダーリーンがいちいち話をこじらせることを仕掛けてくるので、一向にマーティの仕事が捗らない。イライラするぅ〜。

という感じで、シーズン2ラストまでゆったりと話が進んで行きます。映像が終始ブルーのフィルターがかかったような感じなので、観ていると鬱になってきそうな感じ。唯一存在感を現してくるのがウェンディ。特にヘレンとはある種の運命共同体のような連帯感が生まれるのがわかります。そりゃそうだよな、どちらもヘマやらかせば命が危ないので、好き嫌いに関係なくビジネスパートナーは必要になってきますしね。

シーズン3

急展開する序盤

シーズン2ラストで衝撃の事件発生。ウェンディが予想外の行動を取り始めます。こういう時の女性の大胆さは本当に気持ちが良い。マーティは慎重かつ冷静に行動して失点しない戦い方をするのに対して、ウェンディは失点を恐れず(殺される覚悟をもって)、得点をガンガン狙っていきます。マーティとは正反対に。普通、男性の方がハイリスクハイリターンを狙う傾向にあると思っていましたが、むしろ女性の方がこういう行動をとることの方が多いのかな?なんて考えさせられました。とにかく思い切りが良いのと、度胸が凄まじい。

ナバロに拉致られるマーティ

マーティが拉致されてしまいます。ナバロファミリーに。檻に入れられ監禁されてしまいます。大音量のデスメタルを聴かされ、ウジの湧いた食事を与えられながらもなんとか正気を保ち続けます。ところで、ナバロのボスの質問

「お前はどうしたいんだ?」
「質問の意味がわからない・・・」

後々わかることですが拉致の理由はマーティの盗聴でした。でもそんなの言われなきゃわからない。突然どうしたい?なんて言われてもそりゃ意味がわかりませんよね。

でもそんな理屈は通用しないのがナバロ・・・即強制収容されてしまいます。ナバロ・・・意外とアンポンタンだなと思った瞬間でした。普通こういった組織のトップは見かけによらず筋が通った考え方ができるものじゃないかと思っていましたけど、ナバロは別。こいつはダメなやつだなという感じでした。

マーティの煮え切らない感がイラつく

  • ウェンディのホテル・カジノ買収計画に反対
  • FBIのガサ入れで、マネロン停止
  • ウェンディの電話盗聴
  • ウェンディとナバロのビジネスに嫉妬

という感じでシーズン3序盤はとにかく煮え切らないマーティのダメさ加減が全開になります。こういうグダグダ決められない奴って結構苦手だな〜と思いつつ、でも冷静に考えれば失点を重ねるわけには行かないから、そういう意味では理解できなくもないかもと。でもやっぱりイラっとしますね。だいたいここでビビるくらいなら、ペティに言われたとおりFBIの保護観察もらって暴露すればよかったじゃないか!という話になってしまいますからね。「なにをいまさら!」ってことで、そりゃウェンディも距離を置きたくなるわなと。

ベンの奇行が発端でヘレンとバード家が戦争

シーズン3中盤からラストまで、ウェンディの弟ベンが引き起こす数々の奇行にバード家が悩まされます。それが発端でヘレンとの同盟関係にも綻びが生じていく。

ところでベンの病気「双極性障害」ですが、いわゆる躁鬱のことですね。ハイテンションと憂鬱が相互に繰り返される病気だと理解していますが、ベンを見ていると本当に気の毒になってきます。これを見る限り家族や周囲の人たちも相当苦労されるようですね。本人からしてみれば、自分が行きたくもない病院に入れられて自由を奪われるだけになるので、「なんでこんなことするんだ!」という気持ちになるのは当然。一方家族からしてみれば、どんな行動をするか予測できない人と一緒に生活するというのは本当に過酷だし危険でもある。可哀想ではあるけれどそういうケアができる病院に入ってもらうことがベストと考えるのが普通なんですよね。なので、この病気が厄介なところは、本来信頼しあえるはずの人たちの間に「分断」を生んでしまうところにあるのかなと。

ナバロが見ているもの

今までただのドアホだと思ってきたナバロですが、シーズンもラストに差し掛かって案外そうでもないのかな?と思わせるところが出てきました。それはヘレンとバード家を天秤にかけた際の最終ジャッジ。まさかそこまで思い切った判断を下すとは想像もしていませんでしたが、ある意味合理的ではあったなというのが私の感想です。ヘレンとバード家、それぞれのナバロへの貢献度を挙げてみます

バード家の貢献度

  • ナバロの敵対勢力を攻撃できる
  • 資金洗浄
  • カタギな仕事を提供できる

ヘレンの貢献度

  • 法務面での貢献
  • バード家の監視役
  • 始末屋としての力

以上のような感じかなと思います。こうして見ると一目瞭然というか、ナバロの喫緊の関心事と言えば、命がかかっている抗争を終わらせたいということ。その他は命あっての話ですから、優先度は落ちますね。ということで敵対勢力を弱体化できる鍵を握るバード家の方が「使える」ということに。シンプルですがベストな判断ではありますね。ただし・・・今までのヘレンの貢献度とか、築いてきた信頼関係なんていうものは全く考慮されないということでもありますから、そう考えるとナバロという男(というかカルテル自体)は、本当に恐ろしい相手だなと。極めて合理的にしか物事を判断しないので・・・。優秀なビジネスマンではあります。

この作品、とにかく薄暗い作品でありまして、救いがありません。不条理や裏切りが当たり前として淡々と進んでいくドラマですのでこういう系統が嫌いな方には退屈極まりない作品なのかもしれません。でも・・・クセになる・・・というような作品ではないかと。内容的には「ハウスオブカード」に似た作品だと思います。スリリングさで言うとこちらの方が上のような気もします。シーズン4を期待しています。

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