「アイリッシュマン」ざっくりあらすじと感想

Netflix作品。

  • スコセッシ
  • デ・ニーロ
  • アル・パチーノ
  • ジョー・ペシ

このキャストだけで十分お腹いっぱいですね。面白くないわけがない映画だということがわかります。

ざっくりあらすじ

冴えないチンピラのフランク(ロバート・デニーロ)。マフィアのボス、ラッセル(ジョー・ペシ)の元で働くようになります。ラッセルに目をかけられてから順調にマフィア社会でステップアップしていきます。その生き様を回想録風に描いていく作品です。

感想

1950年から80年代にかけてのアメリカの裏社会で生きぬく一人の男の物語。裏社会系の作品と言ってもこの作品には激しいバイオレンスや目を背けるほどの暴力的描写はほぼなし。ここでフォーカスしているのはごく平凡なチンピラ崩れだったフランクがラッセルに気に入られてから頭角を表しラッセルの片腕のように活躍していく部分になっています。なので・・・どんぱち系を期待して観た方は「な〜んだかったるい作品ね」みたいな感想になるのかもしれません。

脛(スネ)に傷

マフィアの社会で生き抜くということは、人に言えないような仕事もやるはめになります。それはフランクしかり。好き好んでそうしてきた訳ではないはずですが、かと言って嫌だとしても拒否できる立場にはなかったはず。拒否するということはその世界では生きていけなくなるということだから。見方を変えるとラッセルに良いように駒として使われただけの人生だったということでしょう。

その見返りはなんだったのか?家族を犠牲にしたし、たくさん人を殺めてきた。邪魔なものを排除して生きてきました。

スネに傷がありすぎる人生。おじいちゃんになったフランクですが、その姿に幸せなど感じることはなく表情からは後悔しか感じません。

人に迷惑をかけるとか、誰かを犠牲にして生きた人生など結局は何も残るものはないということなのでしょう。

豪華キャストすぎるけど

往年の名俳優がずらりと並びます。なので安心感がありますしもちろん面白い作品でした。

あえて言うなら、キャストがご高齢の方ばかりなので見た目にもキレがなかったという点。同じスコセッシ作品の裏社会系作品「ディパーテッド」「ギャング・オブ・ニューヨーク」などがそうでしたが、これらの作品には「若さ」という武器はあったと思います。演技云々はもちろん重要なのだけど、例えば若いギャングがドンぱちする時は、見た目の若さがあった方が凶暴さの表現は強くなると思います。これはおじいちゃんが特殊メイクで演じたとしてもなかなか出せる雰囲気ではないはず。この点でちょっとだけ物足りなさはありました。

こういう若さと熟練のギャップみたいなコントラストをうまく使うっていうのは大事だよなと気づかされました。そういえば「まさに!」という作品はあるよなと。イーストウッド作品の「グラントリノ」や「運び屋」など。ギャングは超強面、対するはヨボヨボのおじいちゃんみたいなギャップ。観ているとおじいちゃん頑張ってくれ!とハラハラする部分がありますが、そういう感覚って特にこういう裏社会とか薄暗い背景のある作品には必須の条件なんじゃないかと。

かと言って若手俳優が晩年のフランクが醸す人生への悔いを表現できるかと言えばそうでもないだろうし・・・。

キャスティングってやっぱり重要ですね。

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