「ボーダーライン/ソルジャーズ・デイ」ざっくりあらすじと感想

ざっくりあらすじ

エミリー・ブラント主演前作の続編になります。がなんと今回はエミリー不在。ベネチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンは続投したようです。ジョン・ゴツ男・バーンサルも不在ですね。前作は相当高評価だった作品だと思うのですが、予算削減したのかキャストも設定もそこそこ規模縮小したような作品に。スリリング感はそのままなのですが、延々と挿入される「ブォーォン」という効果音で不気味感を演出しているだけのような作品になってしまい、全体的に雑な感じが否めません。

続編の本作もメキシコとの麻薬戦争を描きます。相変わらずアレハンドロ(ベネチオ)が危険を冒して潜入捜査を行いますが、感覚の鋭い子供に正体がバレてしまい、絶対絶命のピンチに・・・そして衝撃のラスト!という作品です。前作と比較しなければ普通に面白い作品ではあります。

感想

こういう作品にはギャップが盛り上げ要素に

エミリー・ブラントの華奢で美しいルックスと南米(メキシコ)の麻薬蔓延地帯の薄汚く危うさ漂う環境とのミスマッチのおかげで、常に緊張感があったのが前作だとすると、本作はベネチオとジョシュ・ブローリンというイカツイ男とメキシコが似合い過ぎて違和感なし。要するに本作はギャップがなさ過ぎるのがドキドキしない理由なのかなとも思います。

エミリーがもしギャング側に拉致られたりしたら、酷い仕打ちを受けますよね。男でも裸にされて斬首とかとにかく残虐すぎる制裁を加えるのがあちらの掟らしいので、それが女性だったらどうなるのか・・・想像に難くないのですが、それは絶対に避けなければなりません。それが前作最大の売りだったギャップかなと。本作にはそれがありませんので比較すると小粒ということしか言えなくなってしまうのが残念。

地元警察はギャング以上に悪人

これは特に南米や東南アジアなどのいわゆる発展途上国に多いようですが、警察が悪いことをします。日本人には想像もできないのですが、地元警察がみかじめとか、ピンハネ、下手をすると強盗やそれ以上の悪事もやっているという噂があります(これはたぶん事実)。それヤクザやないかい!と言いたくなる有様ですね。

本作の警官も見事にカルテルに買収されています。そしてそれが原因でアレハンドロたちに危機が訪れます。

麻薬ビジネス=官制なのでは?と疑われる理由

南米の主要麻薬輸出国に共通して言えるのが、なぜ国家権力を用いてカルテルを完全制圧しないのか?という謎。日本であれば警察がヤクザに脅迫されるなんてこと聞いたことがないですよね?もしあったとしたら報復的な強制捜査が入るはずなので。そういうパワーバランスが成り立っているのだと理解できます。超えてはいけない一線が存在するということ。それに対して本作のメキシコのように、警官がカルテルに脅迫されることがあっても、警察はそれに対しての報復をしないようです。もしやっていたらこんなに汚職警官が多いはずがないので。

ということは、国としてはカルテルの動きをある程度容認している向きがあるのではないかと。要は麻薬を国が合法的に認めているような形。軍隊でも何でも総動員すれば一網打尽にできそうなものを、あえてやらないという理由はまさにそこにあるのではないかと。

麻薬取引は非常に効率の良いビジネスなので言い方が悪いですが「美味しいビジネス」なのは間違いない。なので国家がそれに暗黙の了解をしてしまえば、半ば合法的に麻薬ビジネスを行えるということになります。末端の汚い仕事をマフィアにやらせ、目こぼしする代わりに賄賂を要求する。国がこの頂点に立てば官制事業の成立ですね。主要産業が貧弱な国家にとっては、こういう収入源は貴重なんじゃないかと思います。あって欲しくないけど、我々の身近にもこのビジネスを疑われている国が存在しているので、決してあり得ない話ではないということですね。

命がけで撲滅しようとする人たちの志に敬意

前述したようなことを考えると「何やっても無駄」と考えてしまうのが普通なのかもしれません。それでも地道にカルテルを摘発しようとする組織があって、日々危険な任務についているのだろうなと思います。やりきれない思いはあるだろうなぁ〜と。

そんなことを考えながら、アレハンドロが助かりますように!と願って作品を観ていたのでした。

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