「TOP BOY-サマーハウス-」と「TOP BOY」をNetflixで観る。

前作「TOP BOY -サマーハウス-」から観ること

少し失敗したのが「トップボーイ」には前作扱いの作品が存在します。それが「トップボーイ(サマーハウス)」。私、知らなくて最初に続編の「TOP BOY」から先に4話ほど観てしまいました。なのではじめは「???」な感じのスタート。

ということで今から観始める方ははじめ「サマーハウス」を観てから、「トップボーイ」を観た方がわかりやすいと思います。サリーがなぜ出所してくるのか?とかダシェンがなぜジャマイカに飛んでいたのか?がわかるから。そうでないと、内容はだいたい把握できるもののイマイチ話が繋がらないのでした。

「TOP BOY -サマーハウス-」

ストーリー

イーストロンドンを舞台にした、ドラッグディールを生業として生きるギャング(ドラックディーラーが正解かも)のドラマです。

無数のグラフィティ、寂れたアパート群、荒れた路地、路上にたむろする人など一見して「わぁ〜・・・治安悪そう」という印象を受けます。サマーハウス団地だそうです。解説にはイーストロンドンと書いてあったので本当にあるのかな?と実際に調べてみたのですが、それらしき団地は見つからず。

この「TOP BOY -サマーハウス-」は、シーズン1が4話、シーズン2が10話の構成になっています。縄張りを巡る抗争を中心にストーリーが展開します。シーズン1と2で登場人物の成長が見られるので、恐らく公開は数年サイクルだったのだろうと思います。2011年封切りだったので少し時間は経っているのですが、全く古さを感じさせない作り。ドレイクが放映権を買い取ったのも頷けます。

キャスト

私的にはほぼお初な俳優さんばかり。ざっと調べてみたところダシェン役のアシュリー・ウォルターや、サリー役のケイティ・パール・カノなどほぼラッパー兼俳優というような感じです。唯一観たことがあったのはバッシー(ジャメイン・ニュートン役)が「24:Legacy」に出演していたのを覚えていた程度。

こういう作品はどちらかというとメジャーな俳優さんがドーンと出るよりも、本職っぽい強面がたくさん出ていた方が臨場感が増すというもの。なのでキャストはGOODという感じ。ただ、ダシェンたちのグループはいつも子供が沢山入っているので見た目に弱そうな感じがあって、ギャング作品特有の「怖さ」というものが少し薄れる感じがします。反面そこがまたリアルだったりするのかな?と興味が湧いたのも事実。

麻薬が身近すぎる背景

日本の映画では、現実離れし過ぎているのでこういうシーンすら存在しませんが、トップボーイでは白昼堂々とドラッグを路上販売する姿を見ることができます。こういう地域では本当にこんなに簡単に売買されているということなのでしょう(か?)。大麻からホワイトやらダークやら・・・。そして3の2とか独特な隠語を使い、受け渡しにも数人クッションさせて“ブツ”を保管場所から引き出してきたりします。そして“P”という隠語。Pってポンドのことか?それとも薬のこと?なんてわからないなりに想像してしまいました。

それにしても・・・身近に麻薬があり過ぎるでしょ。日本で話題になるような「ファッション性」はこの作品を観た限り一切感じません。買いに来るのは目の下にクマができたどこからどうみても“ジャンキー”だったり、裕福だけど中毒から抜け出せない人たちなど、嗜好品としてドラッグを買っている人ばかり。酒やタバコのように買っていくのだから、恐ろしい限り。

“トップ”になるためのリスクが大き過ぎる

とにかく、シマ(縄張り)を巡る争いが多く、邪魔なものを排除しなければ自分が食われてしまうので、まさに「弱肉強食」。殺るかやられるかの世界。ダシェンはまだ理性的な方だと思うけど、それでも究極の選択の場合には躊躇いはなし。サリーだって、ジェイミーだってみんな同じ。

これほどのリスクを背負ってようやくトップに登ることができるのだけど、当然そこまでたどり着く間にたくさんの敵を作ってくるわけだから、今度は自分たちがマトにされることになるという終わることのない報復ループに陥っていきます。「サマーハウスを牛耳ろうぜ!」がダシェンの口癖ですが、一瞬牛耳れたとしてもすぐに狙われ落とされる。命何個分のリスクを背負っているのかな?なんて考えてしまう。ハッキリ言ってとんでもなく割に合わない仕事で、その対価が高級車に乗れる程度では全然見合っていません。「アホくさ・・・」と、観ていて何度も思います。

彼らにとっては“たったそれだけ”が、死活問題

ドラッグディーラー、抗争と聞くと、ひたすら極悪人のイメージしか浮かびませんし、実際平気で人を殺めてしまうような犯罪者ではある。そして保身の為なら手段を選ばないし、自分の命を常に張っている。たったそれだけの理由で人殺すの?とリアルな抗争のニュースなどを見て思うことが度々ありますが、この作品を観てわかったのが、その“たったそれだけ”は外から観た感覚なのであって、ダシェンやサリーとかこれを商売にしている人間側から見れば死活問題なのだということ。ライバルにバカにされたら手下から見放されて商売どころではなくなるし、ブツが手に入らなくても同様にお金にならなくなる。この商売で重要になるのが“弱さを見せないこと”というのが良くわかります。

ダシェン・サリーも普通の人間だと思う瞬間

ダシェンはお母さんを大切にしている。サリーも別れた奥さんと暮らす娘を大切に想っている。そこにはごく普通の人の顔しかありません。ダシェンが糖尿病のお母さんを見舞うシーンが度々出てきますが、そこにはお母さん想いのやさしい息子の顔があります。この瞬間だけは普通の人なんだなと思います。

「TOP BOY」

本作がシーズン3とのこと。ドレイクの総指揮は本作からのようです。シーズン2からの流れはほぼ関係なし。サリーがお務め中、ダシェンはジャマイカに逃亡中、サマーハウス軍団は弱小化、ドリスが脳梗塞をやっていて、本調子ではない。

シーズン2最終でアルバニアギャングへの襲撃に成功してからの流れはほぼ関係ないところからスタート。ジェイミー率いるZ.T(ゼロ・トレランス)が勢力拡大しているところに、ダシェンがジャマイカでやらかして帰国してきます。サリーも出所し、サマーハウス一派とZTとの抗争が起きるのでした。

この歳になって、オレ何してんだ・・・

溜まり場、ナンバーワンカフェでダシェンがサリーへ言った言葉「36歳にもなって、こんな状況とは・・・」。説得力抜群でした。いい歳のおじさんが近所のガキどもを子分扱いして商売するという何とも寂しい光景。しかも新勢力が台頭していてサマーハウスの威厳など見る影もなし。「あのおじさん誰?」と言われる始末・・・悲しすぎます。

しかしこの稼業からは抜け出せないジレンマがあって、この歳ではマトモな仕事など付けるはずもないし、想像できないということ。それはサリーも自嘲気味に言ってました。全然カッコよくないワル(でもそこがまたクールではあるのだけど)。

ずる賢いジェイミーの上を行くダシェン

決定的に流れが変わったのは、モウディが登場してからだと思うのでダシェン側からすれば他力本願というか運が味方してくれた面は多いと思います。しかし悪運も実力のうちかと。

折角順調に仕切っていたジェイミーなのに、ダメな奴(モウディ)が出しゃばってきたおかげで全て台無し。

この一件、最終的に勝負がついたのが「弱点」の差。ダシェン側はお母さん、サリーは娘、ジェイミーには弟たちだったわけですが、サリー曰く「超えてはいけない線」があるようで、ダシェンはその禁じ手を使った。それが勝負を付けたのでした。

と言っても、この世界ではやるかヤられるかの世界ですからそれを承知でシノギをしているわけで、サリーの良心は本来なら無用なはず。ここはダシェンの筋が正解なのかな?とも思います。でもサリーの良心は正しい。そして、サリーはいよいよこの稼業の人間ではなくなってきているのかな?と感じさせる瞬間でした。それはドリスへの“制裁”の場面でも感じたこと。

サリー・・・次のシーズンでは真人間になって良いんだよ!

シーズン4への期待

終わり方を見ればシーズン継続が期待できる終わり方でした。

救いようのない登場人物ばかりで、成功も出口も見当たらない少し変わった作品なのですが、引き込まれてしまう魅力はある。やってることは少しもカッコよくは無いけど、常に後悔したり、人並みに家族を大切に思う気持ちと、生きるために本意ではないシノギをしていかなければならないハザマで揺れる人間らしい部分が観れるという点では、とても現実的でクールな作品だと思います。次作を大いに期待します!

相次ぐ芸能界の麻薬ネタに思うこと

【2019/11/28追記】

ここ最近多いですね。放映が延期になったりCM中止になるなど、特殊な業界故の問題が山積という感じですね。

ハッキリ言ってしまえば、法律で厳しく取り締まられていても結局“やりたい奴はやる”。そこについてはどうしようもありませんよね。個人の意思の問題なので。だから個人的意見を言えば他人がやろうがやるまいが特に興味はなしという感じ。もし近くにやってる人間が居たら、深いお付き合いはしないだろうなと思う程度です。

ひとつ思うのは、芸能って“イメージを売って稼ぐ”商売なのですが、自分のイメージを理解していない人って多いんだなと。例えば沢尻さんだったら「ヘルタースケルター」とか「新宿スワン」路線で行けばなんら違和感が無いんだけど、柔軟剤のCMとか大河ドラマ出ちゃった後でこういうことになるとスポンサーは良しとする訳ありませんよね?大河なんか特にだけど、スポンサーは国民なんで万人受けしないダーティイメージは当然叩かれても仕方ないと思う(私は放映しても全然良いと思うけど。見たく無い人は見なければ良いだけ)。

薬をやり続けたいなら地味にダークなイメージの仕事ばっかりやっておけば良いと思うのだが、どうして表に出て来ようとしたのかな?と。無理筋って誰でもわかると思うのだけど。そこらへんの判断も薬で鈍ってたとか?理解できません。

表出るなら止める、やり続けるならバレてもイメージ通りな仕事だけする。これしかないと思うのでした。

ところで、大麻インストラクターってこの関連のニュースで初めて聞きましたが、そう言えばトップボーイ にもそんな役の人出てたななんて・・・アジア系のあの人がそうだったんだろうと今頃理解しました。

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